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【アマビエブックス #19】魚住昭『渡邉恒雄 メディアと権力』

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穂崎萬大。こすぎナイトキャンパス企画運営担当。本の燕居堂店主。

【書名】『渡邉恒雄 メディアと権力』(講談社文庫)
【著者】魚住昭
【刊行年】2003年

たまたまなのだが、『NHKスペシャル-渡辺恒雄 戦争と政治~戦後日本の自画像~』を観た。94歳という年齢ながら現役で活動する渡辺恒雄・読売新聞グループ代表取締役主筆への1時間15分にわたるロングインタビューだ。今年3月に放送されたNHKのドキュメンタリー『独占告白 ~戦後政治はこうして作られた 昭和編』の後編に当たるものというが、ぼくはそれは観ていない。

政治学徒としては非常に面白かった番組で、コロナ禍で当初の予定から大きく変えての放送だったらしいが、是非とも続編をつくってもらいたいと思う。失礼ながら、ナベツネさんもそんなに長くはないだろうから。

この番組を観おわって本棚にナベツネさんの本があることを思いだし、積ん読なのだが引っ張りだしてきた。当時、相当話題になったと記憶している。Nスペが本書のダイジェスト版だと思えばいいのだが、やはり他人が語るのと本人が語るのとでは、重みが違ってくる。

Nスペが打ち出していたのは、反共・反戦主義の人というメッセージである。片や、この本のなかの渡邉は、解説の佐野眞一いわく、

この物語の主人公は、のちに盟友となる氏家齊一郎や、西武の御曹司の堤清二、後年わが国の歴史学に新風を吹きこむことになる網野善彦などが盤踞した東大共産党細胞時代に身につけたマキャベリズムを駆使して世界一の新聞社の独裁者にのしあがり、その発行部数の威力をもって、ついには日本の政治と世論を思いのままに操れるという錯誤にまでいたった。

という人物像の、いったいどちらを信じればいいのか。答えは案外簡単で、両方ともほんとうなのであり、光の当たり方次第なのではないかという気がしてくる。人はかくも複雑なのだ。

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穂崎萬大。こすぎナイトキャンパス企画運営担当。本の燕居堂店主。

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