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【アマビエブックス #50】鈴木宣明『ローマ教皇史』

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穂崎萬大。こすぎナイトキャンパス企画運営担当。本の燕居堂店主。

【書名】『ローマ教皇史』(ちくま文庫)
【著者】鈴木宣明
【刊行年】2019年

この本も、大学の「ヨーロッパ中世政治思想史」に関連して求めたものです。いったい、ローマ教皇とは何者なのか。授業では皇帝(あるいは世俗の政治)との関係性を追いかけていくのですが、この本は彼ら歴代のローマ教皇の通史です。

単なる一都市にすぎなかったローマの教会が、やがてローマ教皇としてその権威を至高のものとしたのは、1世紀末から伝えられてきた、「ローマ司教はキリスト教一番弟子ペテロ(本書ではペテロス)の後継者」という伝承が基礎となっています。この伝承を発展させて、5世紀中葉の教皇レオ一世ははじめて「ペテロの鍵」の教説を主張します。

彼は主に
「マタイによる福音書」16章18節~19節、
「ルカによる福音書」22章31節~32節、
「ヨハネによる福音書」21章15節~17節、の3テキストから、使徒団のなかで特別な使命と権限をペテロがキリストから受け継いだと主張するのです。いわゆる使徒権の継承ですが、分けてもこの「マタイ」16章19節を「教皇無謬説」の根拠にすることとなった。これによって、ローマ司教はペテロの継承した司教の権能と、全教会に対する首位権とを受け継いだとされるのです。

ま、古代から中世は、教皇と政治(皇帝)との関係がヨーロッパ世界に大きな影響を及ばした時代ということもあり、個人的には好きな時代ですけれども、それ以外にやはりキリスト教は現実政治との関わり、せめぎ合いと宥和のとり方、といったところに、俗まみれのワタクシは興味を抱きます。

 

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